海外移住や長期滞在を考えたとき、「住民票は抜いたほうがいいのか?」と悩む人は多いでしょう。
私自身、2015年・2017年・2019年にワーキングホリデーで海外滞在を経験し、その際は住民票を抜いていました。
当時は、住民票を抜いたことで大きく困ることはありませんでした。
一方で、ノマドワーカーとして海外を行き来しながら働くようになってからは、あえて住民票は抜いていません。
理由は明確で、現在の生活・仕事環境では「住民票を抜くこと自体」ではなく、「住民票を抜いた結果、日本の各種インフラが使えなくなること」がリスクになり得ると感じたからです。
この記事では、
- 住民票を抜いても困らなかった時代の話
- なぜ今はリスクになりやすいのか
- それでも住民票を抜いても困らない人の条件
を、実体験をもとに整理します。
海外移住で住民票を抜くデメリット【結論】
結論から言うと、すでに日本の電話番号や各種サービスを問題なく維持できている人は、住民票を抜いても生活がそのまま続けられる可能性が高いです。
ただし、新規契約・再設定・本人確認などが必要になった瞬間に、難易度は一気に跳ね上がります。
重要なのは「住民票を抜くかどうか」ではなく、抜いたあとに“再取得できないもの”を理解しているかです。
住民票を抜いても困らなかった時代(2015年・2017年・2019年)
まずは、私自身が実際に「住民票を抜いても特に困らなかった時代」の話から整理します。
同じ海外滞在でも、当時と今では前提条件が大きく異なります。
一時的な海外滞在(ワーホリ)だった
当時の海外滞在は、
- 期間が限定されたワーキングホリデー
- 将来的に日本へ戻る前提
という、完全に「一時滞在」でした。
日本の生活基盤を維持したまま海外に行っていたため、住民票を抜いても大きな支障はありませんでした。
実家を拠点に銀行や生活基盤を維持
利用していた日本の銀行は、
- 非居住者登録を実施
- 母を代理人として登録
という形で継続利用していました。
現地の生活費は、
- 現地の銀行口座
- 現地で得た収入
でまかなっており、日本の銀行やクレジットカードを頻繁に使う必要はありませんでした。
SMS認証がほぼ存在しなかった
当時は、
- ログイン
- 決済
- アカウント復旧
にSMS認証が使われる場面はほとんどありませんでした。
メール認証だけで完結するサービスが大半だった時代です。
当時の日本の電話番号は「連絡手段」であって、「必須インフラ」ではなかったのです。
ノマドワーカーになってから住民票を抜かない理由
ワーキングホリデー時代とは違い、ノマドワーカーとして海外に行くようになってからは判断が変わりました。
ここでは、私が「住民票を抜かない」という選択をしている理由を具体的に説明します。
オンラインサービスはSMS認証前提の時代に
ノマドワーカーとして海外から仕事をするようになると、状況は一変しました。
現在は、
- 決済サービス
- クラウドツール
- 銀行・証券
- 各種SaaS
など、ほぼすべてがSMS認証前提になっていました。
日本の電話番号が使えないと、
- ログインできない
- 二段階認証で止まる
- アカウント復旧ができない
といった事態が現実的に起こります。
日本の電話番号は「生活インフラ」
この経験から、「あると便利」ではなく「失うと詰むインフラ」だと実感しました。
住民票を抜くこと自体よりも、住民票を抜いた結果、電話番号を維持できなくなる可能性が最大のリスクです。
住民票を抜いて実際に起こりやすいデメリット
住民票を抜いたからといって、すぐに生活が破綻するわけではありません。
ただし、特定の条件が重なると「詰みやすいポイント」がいくつか存在します。
SMS認証が使えなくなる
現在の日本のオンラインサービスでは、SMS認証に「日本国内の電話番号」しか対応していないケースも多くあります。
海外の電話番号では、
- 認証コードが届かない
- 番号入力自体を拒否される
といったことも珍しくありません。
日本の電話番号を維持できないと、仕事や生活に直接影響する可能性があります。
海外にいても番号を維持できる回線を、住民票を抜く前に用意しておくことが重要です。
実際に、海外から日本のSMS認証をどう確保するかについては、以下の記事で詳しくまとめています。
▶海外在住・ノマド向け|日本のSMS認証を受け取る現実的な方法
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銀行口座の利用制限
近年、日本の銀行では「非居住者(海外居住者)」に対する口座利用の管理が、以前より明確に厳しくなっています。
実際に、次のような対応を公式に案内している銀行もあります。
-
三菱UFJ銀行
非居住者は、国内振込や一部の口座取引が制限される場合があり、海外居住となった場合は届出が必要とされています。
状況によっては、入金はできるが、振込・出金などの操作が制限されるケースがあります。 -
三井住友銀行
海外転居後は「非居住者」として扱われ、国内向けの通常口座サービスが利用できなくなる可能性があります。
特に、インターネットバンキングによる振込や各種変更手続きについて、制限がかかることがあります。 -
auじぶん銀行(ネット銀行)
公式に「非居住者は口座の出金・振替(送金)機能が利用できない」と明記されています。
この場合、口座にお金が入っていても、動かせない状態になるリスクがあります。
このように、銀行によって対応は異なるものの、
- 入金は可能だが出金や振込ができない
- 国内振込が国際送金扱いになる
- 本人確認が完了するまで取引が止まる
といった制限が、実際に起こり得る状況になっています。
「昔は問題なかった」という経験は、今後の保証にはなりません。
クレジットカードの再発行・新規発行が難しい
日本のクレジットカードは、原則として日本居住者向けのサービスです。
そのため、非居住者になると
- 日本のクレジットカードを新規発行できない
- 既存カードの更新や再発行が止まる可能性がある
といったリスクがあります。
住民票を抜いたあとにカードトラブルが起きると、代替手段がなく詰んでしまうケースもあります。
保険・行政サービスの制限
海外保険やノマド向け保険の多くは、国籍や居住国を基準としており、住民票の有無が直接影響するケースは多くありません。
一方で、
- 国民健康保険
- 国民年金
など、日本の制度に紐づく保険・行政サービスは、住民票を抜くことで利用できなくなったり、手続きが変わったりします。
民間の生命保険や医療保険については、住民票を抜いたからといって直ちに解約になるケースは多くありません。
ただし、
- 海外への長期滞在
- 居住地の変更
については、保険会社への通知が必要になる場合があります。
私の場合、ノマドワーカーといっても海外に定住しているわけではなく、日本を拠点に、好きなタイミングで海外へ旅行するようなスタイルです。
長くても3ヶ月程度の滞在で、必要があればすぐに日本へ戻れる状況を維持しています。
このような一時的な海外滞在であれば、私の経験上、日本で加入している民間保険については、特別な手続きが不要なケースが多いと感じています。
海外滞在中の医療費リスクについては、日本の制度とは別に、海外向け保険でカバーする選択肢もあります。
▶SafetyWingのノマド向け海外保険を詳しく解説した記事はこちら
ふるさと納税ができなくなる
住民票を抜くと住民税が発生しないため、原則としてふるさと納税の対象外になります。
年の途中で海外移住する場合は、住民票を抜くタイミングによって「その年分が使えるかどうか」が変わるため注意が必要です。
日本の電話番号を解約したまま海外移住した場合に起きやすい問題【実例】
ここからは、私自身ではなく、実際に周囲で起きたリアルな事例を紹介します。
机上の話ではなく、「こうなる可能性がある」という具体像として参考にしてください。
日本の免許証が失効し、本人確認の選択肢が減る
実際に、ワーキングホリデーに行く際に日本の電話番号を解約し、その後国際結婚をして海外移住した友人がいます。
その友人は長期間日本を離れていたため、日本の運転免許証が失効してしまいました。
免許証は再発行できますが、
- 手続きが複雑
- 一時帰国の限られた時間では対応しづらい
といった理由から、再発行は後回しにしているそうです。
その結果、日本で使える本人確認書類が減り、各種手続きのハードルが上がってしまいました。
一時帰国時はレンタルWi-FiやトラベルeSIM頼みになる
日本の電話番号を持っていないため、その友人は一時帰国のたびにレンタルWi-Fiを利用しています。
インターネット通信自体は問題ありませんが、次のような不安を感じているそうです。
- 国内通話ができない
- SMS認証が使えない
- 日本のサービスにログインできない
特に、日本の銀行やオンラインサービスでSMS認証が必要になった場合、代替手段がなく詰んでしまう可能性があります。
110番・119番に本当に電話できるのかという不安
レンタルWi-Fiやデータ通信専用SIMでは、
- 110番(警察)
- 119番(救急・消防)
といった緊急通報が本当に使えるのか分からない、という不安もあるそうです。
実際、日本国内では「音声通話ができる回線」を前提に設計されているサービスや仕組みが多く、いざという時に電話できない可能性があること自体が、大きな心理的ストレスになります。
SMS認証が使えない不安は年々大きくなる
その友人が特に不安を感じているのが、SMS認証です。
国内交通機関のチケットの予約などに関しても、日本の電話番号宛にSMSが届く前提の仕組みが今も増えています。
日本の電話番号を持たないまま海外移住すると、「今は使えているが、いつ使えなくなるかわからない」という不安を抱え続けることになります。
住民票を抜いてもすぐに困らないケース
ここまでデメリットを中心に書いてきましたが、すべての人が同じように困るわけではありません。
条件が揃っていれば、住民票を抜いても大きな問題が起きにくいケースもあります。
すでに日本の電話番号を持っている場合
元々日本の電話番号を契約している場合、住民票を抜いたからといって即解約されることは少なく、既存契約を維持できれば短期的な問題は起きにくいです。
ただし、持っていない状態で必要になった場合は、難易度が一気に上がります。
新規契約・乗り換え時の本人確認
携帯回線や各種サービスの新規申込・乗り換えでは、免許証やパスポートなどの身分証明書が有効期限内であれば、住民票の提出を求められないケースがほとんどです。
そのため、住民票を抜く前に主要サービスを契約しておくことが重要です。
マイナンバーがなくても困らない人
確定申告が不要な人やe-Taxを利用しない人であれば、マイナンバーがなくても日常生活で困ることは多くありません。
ただし、オンラインで確定申告を行う場合はマイナンバーが必須です。
Wiseアカウントはいつ作るべきか
Wiseは「日本の銀行の代わり」ではなく、日本円と外貨をつなぐための補助的な金融インフラです。
特に、現地で銀行口座を開設しないノマドワーカーや、外貨と日本円を行き来させる必要がある人にとっては、Wiseを持っているかどうかで資金管理の自由度が大きく変わります。
一方で、日本の銀行口座やクレジットカードが使いづらくなったからといって、Wiseだけですべてを代替できるわけではありません。
あくまで「あると選択肢が広がるサービス」として位置づけるのが現実的です。
Wiseのメリット・デメリットや実際の使用感については、以下の記事で詳しくまとめています。
▶Wiseの評判・口コミ!実際に使って分かったメリット・デメリット
海外移住や長期滞在を考えている場合、日本円と外貨を柔軟に管理できるWiseは、早めに準備しておくと安心です。
特に、住民票を抜く前に作っておくことで、本人確認や書類提出がスムーズになります。
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住民票を抜く前に作る場合
住民票があり、マイナンバーを保有している状態で
日本居住者として申し込むのが、最もスムーズです。
本人確認や書類提出も簡単で、あとから追加書類を求められるリスクも低くなります。
今後、海外に行く予定があるものの、まだ日本の銀行口座を資金の起点として使うつもりであれば、このタイミングで作っておくのが最も楽な選択です。
住民票を抜いた後に作る場合
住民票を抜いた後でも、
現地住所を証明できる書類があればWiseアカウントの作成は可能です。
ただし、居住国や提出書類によっては、本人確認に時間がかかったり、追加書類を求められることがあります。
「海外からでも作れる」という点は事実ですが、手続きの手間や不確実性は、日本居住者として作る場合より高くなります。
まとめ|住民票を抜く前に考えるべきこと
海外移住で重要なのは、住民票を抜くかどうかではありません。
- 日本の電話番号をどう維持するか
- 銀行、クレジットカード、Wiseをいつ準備するか
これらを整理したうえで判断することが、後悔しないためのポイントです。
準備ができていれば住民票を抜いても大きな問題にはなりません。しかし、準備不足のまま抜くと、後から取り戻すのは非常に大変です。
